この3年間、大切にしている3人の女の子たちについて書いてみようか。16

    Categoryこの3年間、大切にしている3人の女の子たちについて
    前回は、コチラ♪

    今、現在進行系で、私にとって特別になっている女の子たち3人について、ちょっと書いてみることにした。

    最後の3人目、みなみちゃん。首都圏の大学に通っている女の子。
    そのみなみが中1になったばかりの内科検診、迫る危機!!


    「この生徒で、3年生女子最後です」

    保健の先生が、衝立ての向こう側に伝えた。


    その向こうでなにが起こっているのか。私達には、分かります。

    衝立ての向こう側から、「異常なし、次!」っていう男の人の声が聞こえてるから。





    先輩のように、私も、脱ぎました。


    AAサイズのスポブラを、先輩と同じように脱いだ服の上に半分折りにして、置きました。


    前に並ぶ子が一人、また一人と呼び込まれています。


    保健の先生が促しています。
    「もう脱いだかな?先に行こうね。もう次の人が入るよ。小学校の検診と同じ。大丈夫大丈夫。終わってみたらあっという間だよ。お願いします、ありがとうございましたって言うのよ。」


    まくし立てるような先生のことばに、気持ちは入っていないように思えました。
    みんな、そのことばに違和感はないのかな。

    なにも、お願いしたくない。

    なにも、ありがたくない。


    そんなこと、私は望んでいない。


    それなのに先生から、そんなことばを強要される。






    やっぱりこの空間は、おかしい。





    そんなことを思いながら、ついに自分の番が来たんです。


    私の前に終えた子はサッと服を着ると、少し前かがみになってササッと逃げるように去っていきました。





    いやだなぁ。



    そう思いながらも、衝立ての向こう側に入りました。


    「お願いします」





    お願いしたくもない「お願いします」を、しかし私は、明るくはっきりと言いました。

    生まれてきてから今までの間に、しっかりと身に染みついてしまった所作なのだと思います。



    同時に、私は気づいたのです。


    白衣と聴診器を身にまとう初老の校医。

    その顔を、私は覚えていました。




    つい先日、入学式の挨拶を終えて席に戻る際に「立派でしたよ」と言ってくれた、あのおじさんです。

    そうなんだ、学校医って来賓席に呼ばれるんだ、とかなんとか思いながら、

    校医の先生は、私があの挨拶をした子だと気づいているのだろうか?とも考えました。



    あの時と今との違いに思いを馳せました。



    同じ空間だよ、ここ。体育館。

    あの時はみんな制服で、そう、真新しいキリッとした制服でした。

    一番しっかりとした着衣。一番フォーマルな厚手の冬服。

    体育館の舞台の上に目をやると、「平成◯◯年度 入学式」というのが、まだ吊ってあるままだし。



    しかし、今はどうだろう。

    同じ空間で、女の子だけを集められて、みんなを裸にさせているんです。


    上半身、なにも身に着けていない心もとなさ、分かってもらえますか?
    胸の前になにもない、冷たい空気を直接感じる、すごい緊張感、恐怖感。



    有無を言わさず、強制的な力で。






    怖い!







    恥ずかしさはもちろんあるのだけれど、この状況のおかしさからは、恐怖のほうが先に立った気がしたんです。








    なのに私は、背筋をピンと伸ばして、こうして立っています。

    多分、表情もいつも通り、口を閉じたまま軽く微笑んだ感じ。



    上半身に一切なにも着けない状態で、おじさんの校医や女の先生たちの前で、一人で立たせられている。



    恥ずかしくて背中を丸くしてしまいそうになる気持ちを抑えて、立派な「きをつけ」をしている。



    私に身についてしまった、しっかりとしなきゃ!っていう無意識が、私の身体を支配している。


    先生からも、それは褒められました。


    そういえば、前の子も、その前の子も、保健の先生から「もっと胸を張って」とか言われていたよね。


    私、ちゃんとできていますか?
    できているよね?




    直立不動から、両腕をまっすぐ上に上げるように言われました。

    わきが完全に無防備に。


    はずかしい!



    横に向くように言われる。

    どうしてあちこちから私のからだを見るんだろう?


    そう、観察されてる!

    観察されて、記録を取られている。



    この商品は、ちゃんとしているのか。欠陥はないのか。不良品ではないのか。

    出荷に向けて、順調に生育しているのか。



    そんな視点でチェックされているのです。



    そして、椅子に座るように言われました。


    保健の先生が、消毒液の付いたガーゼで聴診器を拭いていました・・・。





    次回は、コチラ♪



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