スパンキー、あるいはそれに類する者、美怜。
Category思い
スパンキー、という者がいる。
この世界に馴染みのない方には、耳にも馴染みがないだろう。
そんな方でも、スパンキングという言葉は知っているのかな。お尻などを中心にペシペシ叩かれることを好むマゾヒズムの一形態である。スパンカーが叩く側。スパンキーが叩かれる側。なるほど。「純然たる痛みや叩かれている精神状態を渇望する者」とスパンキーを定義するのなら、これこそマゾヒストの核心を突いた嗜好と言えるのかも知れない。
でもね、思うのでは?叩かれるだけで何が楽しいんだろう?理解が及ばない・・・そんなふうに。
数ヶ月前、メールが届いた。名を、美怜という。美しくて怜(さと)い。綺麗で聡明という名前だ。ほう。
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はじめまして。美怜と申します。
以前からブログ拝見させて頂いていました。私は、●●に住んでいます。18の時からサイトなどで知り合った方にスパンキングや緊縛をして頂いてました。お話をしてみたいと思いご連絡させていただきました。よろしくお願いいたします。
【 年 齢 】:20 歳
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― 美怜様、こんにちは、はじめまして。縛り屋、芦屋です。18から始めているんですね。早いなぁ。
ということは、まだ継続して関係があるのかな?他に主様のいらっしゃる女性を扱うのは、仁義上、私は行いませんが、大丈夫でしょうか?その方のお許しを得てからであれば、問題はありませんが。
そういう前提であれば、メールやチャットなどでお付き合いいただければ私としても幸いです。いかがでしょう?
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そんなふうに始まった美怜とのやりとり。重ねるうちに、どうもこの子は悩みというか闇が深そうだぞ?と感じ始めた。
この若さにして既に7人もの相手を巡っている。かといって、いわゆるヤリマンビッチな空気感がまるでない。うーん。賢明なる読者諸兄には、美怜の求めるものがどこらへんにありそうか、想像の翼を広げていただきたいところだ。
やり取りの中で、言葉の使い方はまだ幼かったり雑さがあったりするものの、自分や相手の心に対して真摯に向き合おうとする姿勢には私はかなり感服するに至った。もしかしてこの子も高学歴女子か?と思われ、尋ねてみたところ、やはり。いわゆる学区トップ高校から進学するような大学に在籍しているという。すごいなぁ。
また、メールに対する返信が極めて早い。驚くほど。
こういうやり取りって、結局匿名だし、相手のことなんてテキトーにしといてもあまり心の痛みを感じないそぶりの女の子は、それなりに多いように私は感じている。
その点、美怜は電光石火。驚き褒め称えたところ
「私の返信が早いのは多分癖です。以前返信が遅くて叱られたことがあるので、、」
と言う。以前の主さまから厳しく躾けられたそうだ。なるほど。躾、ですね。
そんなミステリアス美怜の心は、どの辺りを求めてさまよっているのだろうか。少しずつ見えてきた。
「私も足を踏み入れた時は、なにも分からなくて、でも、お一人お一人違うし、何が正解なのかどこがボーダーラインなのか探っていることも多くありました。結果、勝手ですが強くなれたのではないかなって思ってます。
私も多くの方とお会いしてきて思いました。半端な気持ちでやってる人とそうでない人では、全く違うし、こちらも同じことだと。」
― 美怜さんは変態ちゃんだよね。
「そうですか?そんなにやばいですか?」
― ヤバいヤバい。非常に好ましい。変態という自覚は、お有りではない?
「あまりないです、、」
― まあ、自覚は関係ないかもですね。私のところに来たときに、私が判断させていただきますね。そして、責めながら確認させていただきますね。「ん?こんなことをされて喜んでるのは、変態じゃないの?どう思う?」などと言われながら。
「確かにそうですね。
そういうの苦手です、、」
― なるほど、言葉は不要な子なんだね。黙々と、淡々と、打たれ続ける。そういう方向かな。
「はい。そっちの方が好きです。」
― 単調な苦痛と強い性感を同時に与え続けたい、というのが、私の基本姿勢です。が、単調な苦痛といっても、普通の子はそれさえも程度によりますが好まない子が割と多い。なので、期待感はとてもありますよ(^^)
「なるほどです。単調な苦痛ってのは具体的にどういうことですか?」
― 私がイメージする単調な苦痛は、リズミカルに淡々とスパンキング、ヘラ鞭、ケインなどを重ねていくようなものです。女性の表情、打っている肌の腫れや色の変化、耐えられる限界の見極めなどを総合的に判断しながら、そういう軽い打撃を続けていく感覚。
痛みの積分値がどこで限界に達するのかを観察するのも面白いです。
と同時に、ブログでも昔に何度も書いていた、性的快感と痛覚の混濁、混同、パブロフの犬的な条件反射まで行きつけば、これはなかなかに面白い。ただ、相手を選ぶのでねぇ。苦痛でしかない子が多いですもんね。喜んで身を置ける女の子でないと、ただの拷問になりますから。
「なんか楽しそうですね。
私は自分の痛みの限界をまだ知らないです。条件反射はなかなか怖いところがありますが、、笑」
― 末恐ろしい子だなぁ、楽しそう、とは!
私としては、条件反射は割とすぐに身につくと思ってますよ。ケインを見ただけで股間がうずき、叩かれ始めると濡れてくる、とか。
痛みの限界は、挑戦しない方が良いと思います。際限がない。赤く腫れ、青黒くなり、皮膚が裂け、針や電気刺激、ピアス、スプリット、ああ恐ろしい。
え、心が華やいでしまう?
「その傾向は若干ってかそれなりにあります。それが条件反射かは分かりませんが、、
そうですよね。やめておきます。耐えれるか耐えれないかギリギリのラインが好きです。」
「痛かったり、苦しかったり、隷属したり、そういうことしか考えてなかったです。でも、思います。本来の自分ってなんだろうって笑
元彼はみんなこういうことで知り合った形だけのカレカノの関係でしたし、、
1人だけ全てしってる友人がいるんですけど、その子に良く言われるのが、いつか死にそうで怖い、、なんです、、友達にそんなこと言わせるなんてって思いながらも続けちゃうんですよね、、」
― いつか死にそうで怖い、ですか。なるほど。でも、大丈夫。まだ自分が何者なのか分かっていないから、そんな不安が湧き起こる。
自分の心が、どういうことによって真の安寧というか有るべき場所に落ち着くというか、そんなことを見つけられるようになれば、安らかになれます。行為は激しいけどね。
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いかがでしょうか。私と美怜のやり取りの抜粋。私の心の師匠、師匠筋にあたる Master Joker 氏に言わせれば、
「ん?師匠きんってどこの筋肉だ?」
ということになる訳だが、彼一流の軽妙で洒脱な空気の傍らで日夜繰り広げられている拷問の数々の中には、美怜が夢見るような行為などそこらに転がる石コロくらいにありふれているのである。そして、私もその傍らで何度か見学させて頂いてきている。
ただし、私自身、そこまでの責めを主体的に扱ってきた経験はほとんど無いのである。
そういう意味で、コロナウイルス騒動がもう少し落ち着いてきたタイミングをもって、私は美怜に頭を下げねばならないだろう。
― 私は経験がないので、もしかしたら私では不足をお感じになるかも知れません。が、とても関心のある世界観でもありますので、美怜さんが私を育ててくださるような部分をお持ちいただけたら。
私の関心は、歪んだ女の子の気持ちに寄り添うこと、理解を深めることにあります。縛っていて勃起していないことは多いのですが、こんなメールのやり取りをしていると、割と硬くなっています。そんな男に可能性を感じていただけるのなら、これはご縁なのかも知れません。
こんな程度の私でよいのだろうか?そんな気持ちの投げかけに、美怜の返事は短くとも前向きさに溢れた嬉しい肯定であった。
「はい笑
是非お会いできる日を楽しみにしています。」
さてさて。いつになることでしょうね。コロナ次第ですね。
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