「縛り屋、芦屋。」

小さく頷いた彼女が選んだ紫色の縄をクルクルっと掛け、腋下・下段側のロックで仕上げた。


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スレンダーな女性特有のそれほど大きくない胸が、少し表情を持ち始めた。角度を変えてみてみよう。



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緊縛初体験の彼女としては、この時点で既に、

「あぁ、私、縛られている！」

という軽い興奮と共に、

「この先どうなっちゃうんだろう？」

という不安の顔をした期待感に包まれているハズだ。その気持ちに応え、さらに縄を加えてみる。背中から首のサイドを通ってきた縄で、胸の下段を吊り上げる。いっそう、その胸が色づく。


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背中で縄を処理したあと、胸の形を整えるのはワタクシの仕事だ。つい先ほどまで知らない者同士だったはずなのに、今、こうして彼女の胸に縄を掛け、ワタクシの両手は、丁寧に、大切に、彼女の胸の形を整えている。楽しい。

楽しんでいるのはワタクシだけなのか？Ｉさんの表情は、一見硬いままだが、口元が緩んできているようにも見える。