「縛り屋、芦屋。」

ホテルに着き、チェックインする。
私の半歩あとをちょこちょこと付いてくる咲奈が、ふと、口にする。
　
「はじめて。」

・・・え？　あ、そうか。

意味を理解するのに0.5秒ほどかかった。なろほど、性的な経験がほとんどない彼女なので、こういうホテルに来るのは生まれて初めてということだ。うん、新鮮でよろしい。

部屋に入り、なんだか素敵な雰囲気と、今日合ったばかりの男性とこんなところに来てしまった事実に、どう振る舞っていいのか戸惑ってしまう咲奈だった。

とりあえず、イスに座ってあれこれとお話ししようか。


=どんな表情をしてたらいいか、わからないよね=


あれこれ、話をしてみた。

高校時代に付き合っていた彼と、初体験。地元の進学校だったそうだが、進学校に通いながらそんなことしちゃだめじゃないか！いや、今どきそんなの関係ないか。
その後、大学進学を期に遠距離となり、寂しくなって、自分から別れを切り出してしまった。
それ以降、別の人と付き合ったし、二人目の経験を積んだけれど、高校の時の彼のことが忘れられなくて、別れてしまった。
で、今は付き合っている人はいません。

・・・そうなんだ。割とよくある話だよね。女の子って過去を引きずらない子が多いように感じていたが、逆に、いつまでも忘れられない純な気持ちが残ることもあるんだね。どうしようもなく、つらいよね。


咲奈を目の前にすると、改めて彼女の細身が意識される。先回にも書いたが、肘とか膝の挙動が彼女の内向的な性格を示している。こういう女性は、ギリギリッと強く縛り上げたいと、強く思わせる。壊れてしまうほどに。ま、今日は初めての日だから、そこまではしないけれど。

ところで私自身は、女性の体型に対するこだわりはあまりない。バストの大小に関しても、同様。
女性の外観よりも、むしろ心情の移ろいにこそ、面白みを感じる。

たとえば咲奈なら、忘れられない昔の彼が心の奥底にしっかりと腰を下ろしているにも関わらず、私のような男に縛られて陵辱されたいと思っていること。本人に聞いてみると、仮に現在彼氏がいたとしても、それとこれとはセパレートして考えることができると言っていた。ほほう、それは頼もしい。

あれこれと話ながら、次第に咲奈の心もほぐれてきたようだ。
面と向かいながら、撮影をしてみる。


えー、などといいながら、恥ずかしそうに顔を隠す。むっちゃ笑顔で。


うん、これって、嫌がっていないよね。仕草がかわいい。そう思いました。



さて、いよいよ軽く縛ってみようか。



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